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倉持麟太郎
2021.9.24 15:09

『河野太郎氏「同性婚・夫婦別姓賛成」への反応に見る、戦後日本の病理 与党も野党も「ご都合主義」憲法解釈と運用』@SAKISIRU

左右問わず主権者そっちのけのエリート(政治部門・アカデミア・司法含んだ官僚etc…)による「解釈・運用」が”大人の知恵”とする日本型統治の病理を河野発言を入り口に論じました。
自分たちに都合よければ解釈改憲はOKなの??
結局立憲民主党に政権交代しても、この日本型統治の根源的病理には一切言及すらしていないため、根本的には変わりません。
立憲民主党も、戦後日本が歩んできた「権威主義×人の支配×不文律」による政治ど真ん中です。
これらの概念の正反対になるのがリベラルですので、立憲民主党は反リベラル政党です。っていうか、日本政治ってそもそも反リベラルってことですね。
政治部門において、アベ・スガは信頼できないけど、枝野的なものは信頼できるって、それ「人の支配」の発想そのものです。私たちも信頼できない存在ですということを前提に、自分たちを統制する・縛るような権力者として不合理な提案をしてくれればくれるほど信頼する気になりうるわけです。しかし、アベ・スガ自民党がやったことを否定します!逆張りします!以外の根本的な政策は出てこない。
国対政治やめますくらい言ってみたら??
なぜそれができないのでしょうか?
閣議決定でアベ・スガ的なものひっくり返しますって…「~の権利を認めます」って…
そのためのシステムや実効性担保のための方策は一切彼らからは語られません。
なぜでしょうか??
倉持にしては短いので、是非、帰りの電車やコンビニに行く間、ちょっと長いトイレのときにでも!
今週水曜に配信した、慶應義塾大学の憲法学者、横大道聡教授との「コロナ特措法の”仕組み”を読み解く」も、かなり好評でした!!法解釈の醍醐味、そして、現実に起きている事象にどうやって憲法→法律があてはめらていくべきなのか、その道しるべのような内容です。
グローバルダイニング訴訟に提出いただいた横大道さんの意見書を丁寧に解説しております。
おまけで憲法53条の臨時国会の召集についても、野党の対応がマズイことについて論じております。
是非ご覧ください!
~~~~~ 以下  引用 ~~~~~
「個別的自衛権を行使する自衛隊の創設までは解釈改憲OKだが集団的自衛権容認の解釈改憲はNG。69条に限定されていたはずの解散が7条で認めるという解釈改憲は好ましくないが、7条解散を縛る法律を作るという再度の解釈改憲はOK。これは自民党だけではなく、旧民主党及び立憲民主党を含めた左派野党勢力及びその御用憲法学者も認める解釈改憲のダブルスタンダードだ。結論において自陣にとって望ましければ解釈改憲OKという姿勢は、およそリベラルとも法の支配とも呼べない。」
「思えば、日本憲政史の75年は一部のエリート(官僚、政治家、学者etc)による憲法の「横取り」の歴史といっても過言ではない。砂川判決にみる「統治行為論」という司法権の判断放棄。上に見た自衛隊や解散権についての国民意思が一切介在しない内閣法制局を筆頭とした与野党政治部門による壮大な解釈改憲の数々。
この「余白」をまたもやエリートや政治部門の「解釈」によって埋めようとする姿勢は、戦後75年の主権の横取りを追認するものである。」
「この「書いてないから認めてもいいじゃん」という姿勢は、安倍晋三から枝野幸男まで全く同じく通底する。自分たちのご都合主義的に憲法以下の法規範を融通無碍に「解釈と運用」で“何とかする”ことが「大人の知恵」という悪しき戦後日本型統治の典型である。すなわち、枝野立憲民主党に政権交代しても、日本型統治の根源的病理は全く治癒されない。
さらにいえば、枝野立憲民主党ないしその周辺に巣食うインフルエンサー(含む自称学者)は、リベラル(個人の自由×法の支配×明文のルール重視)でも何でもない。結局は「権威主義×人の支配×不文律と解釈・運用」を冠する戦後日本型統治手法を踏襲しており、彼らが批判する自民党政権と同質性が極めて高く、党内民主主義からすれば自民党のそれにすら劣ることが近時明らかである。上顧客向けに口先だけの「差別禁止」等は言っても、憲法裁判所等による制度的担保や司法アクセスの拡充、また、「国対政治」等々の悪しき不文律には全く言及しない。これのどこがリベラルか。」
「河野氏の同性婚及び夫婦別姓に対する意思表明を、結論“おいしいとこどり”で騒ぐ野党とネトウヨの姿は日本型統治の病理の化体であり、この“雑音”のその先に本質的問題の地平は広がっている。」
倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

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